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歴史を知ることの大切さ。(濱口桂一郎『日本の雇用と労働法』)

日本の雇用と労働法

 議会やら他のブログの話やらで間隔が空いてしまいましたが、八代尚宏『新自由主義の復権』、伊藤隆行『モヤモヤ仕事術』に続き、先日の長期出張中に読んだ本の紹介です。
 今回取り上げるのは、日頃hamachanブログで楽しませてもらっている濱口先生の『日本の雇用と労働法』。
 随分前に買ってたんですが、ようやく読むことができました。
 それでは本題へ。

 今、私たちが目にしている物の形や仕組みは初めから今の姿だったわけではありません。
 社会制度から妻の体型まで、何らかの過程を経て今の姿に至っているものがほとんどです。

 しかし、「歴史」には目を向けず、自分の前にある物が最初から今の姿だったかのように批判している人たちや、そうした中身の薄っぺらさだけが印象に残るような批判を嬉々として受け入れている人たちをよく見かけます。
 
 こうした傾向は、労働問題の分野でよく話題になる終身雇用、能力主義、同一労働同一賃金、職務給・職能給といったテーマについても言えるようです。
 私は海老原嗣生&荻野進介著『名著で読み解く 日本人はどのように仕事をしてきたか』を読み、労働問題を語る時に過去の経緯を踏まえる事の重要性を認識しました。

 しかし、海老原&荻野本は、戦後出版された人事や組織運営に関する13冊の本を取り上げ、その書評とともに当時の社会の姿を描いたもので、労働に関する諸問題の歴史を知るために作られた本ではありません。

 その点、この『日本の雇用と労働法』では、労働分野の諸制度がどのような過程を経て今の姿になったかがコンパクトかつ丁寧に説明されています。

 大阪市の橋下市長が要請した職員組合事務所の庁舎からの退出が話題になった時に、hamachanブログで解説されていた労働組合と従業員代表機関という2つの面が一体化している日本の労働組合の特徴についても、この本では説明されています。
 また、安易に持ち出される同一労働同一賃金制度に関連して、職務給が配置転換との関係から職能給に落ち着いた経緯も解説されています。

 その他、渡り職工から企業が囲い込む子飼い職工に中心が移る過程で定期昇給制度が現れてきたこと、終戦後の大規模な労働争議に疲れた労使で手厚い退職手当制度と一方的な解雇の見直しについて合意したことが長期雇用慣行の確立に繋がったこと、戦後賃金体系の原型となった電産型賃金体系で給与の約2割となっている能力給が実は初めから組合側が要求したものであり、しかも組合側の要求を会社側がかなり削減してこの数値になったことなど、もともと労働問題の基本的知識を欠いている私には目からウロコの話が満載の1冊でした。

 なお、私のように労働問題に詳しくなくてもhamachanブログのファンだという方にはブログを見る時の参考書としても役立つ本だと思います。
 もっとも、あのブログにはAKB48からももいろクローバーZまで出てきますから、この本だけで十分とは言いませんが…。(笑)


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